皆さんはヒートショックという言葉をご存知でしょうか?
ヒートショックは極端な寒暖差が原因で起こる現象で、高齢者の方に多く見られます。
このヒートショックは命に関わる危険な現象であり、高齢者の方だけではなく誰にでも発症する可能性があります。
今回はヒートショックについて詳しく解説させていただきたいと思います。
早速見ていただきましょう。
目次
ヒートショックとは?
ヒートショックとは体が極端な寒暖差に直面した時に起こる現象で、高齢者の方に多く見られます。
ヒートショックは例えば暖房が効いている部屋から急に冷えた部屋へ移動した時や、暖かいお風呂に入ってから急に冷えた脱衣所に移動したときなどに発症します。
人間の体は冷えた場所(冷えた脱衣所など)にいると体温を上げようとするため血圧が急上昇します。
その後、血圧が急上昇している時に暖かい所(暖かいお風呂など)に行くと急上昇した血圧が逆に急低下してしまいます。
この血圧の大幅な変動こそがヒートショックの原因です。
血圧の大幅な変動により様々な病気を発症することがあり、最悪の場合死に至ることもあります。
ヒートショックの原因とは?
ではヒートショックの原因となっているのは何なのでしょうか?
この項目ではヒートショックの原因と考えられることについて詳しく解説させていただきたいと思います。
サウナと水風呂の往復
まず考えられるのはサウナと水風呂の往復です。
皆さんも温度差が気持ちいいからサウナと水風呂を往復した経験が1度くらいはあるのではないでしょうか。
ですがこれはヒートショックが起こりやすい非常に危険な行為です。
サウナと水風呂はある程度の温度が事前に設定されており、サウナは90~100℃ほど、水風呂は17℃ほどとなっています(一部例外有り)。
サウナと水風呂を往復すると極端な寒暖差が生じてしまい、家のお風呂と脱衣所などとは比にならないほどの寒暖差が生まれてしまいます。
危険なので絶対にやめるようにしてください。
参考 サウナ+水風呂の効果は?危険な入り方[時間/温度]には注意! Senior Life Hack
部屋と部屋の寒暖差が大きい
部屋と部屋の寒暖差が大きいとヒートショックを引き起こす可能性が上がります。
先ほどヒートショックは極端な寒暖差が原因で発症することを紹介しましたが、部屋と部屋の寒暖差も勿論その例外ではありません。
そのため部屋と部屋の寒暖差でヒートショックが起こる可能性も十分にあり得ます。
では部屋と部屋の寒暖差を縮めるにはどうすれば良いのか、主な対策には次のようなものがあります。
・お風呂に入る時のことを考慮して部屋の暖房の設定温度を下げる
・更衣室やトイレに壁掛け暖房を設置する
・浴槽に貯めたお湯で浴室を十分に暖めてから服を脱ぐ
ちなみに部屋との温度差を大きくしないためにお風呂のお湯の温度は40度以下が最も適していると言われています。
「38℃~40℃程度のぬるめのお湯から入り、熱いお湯を足して徐々に温めるようにしましょう。」
LIFULL介護より引用
入浴前の飲酒
入浴前の飲酒もヒートショックの原因となります。
お酒を飲むと血圧が低下します。
そしてその後にお風呂に入って体が暖まるとさっき低下した血圧がさらに低下します。
そして血圧が下がりきった状態で冷えた脱衣所やトイレなどに行くと通常よりも大幅に血圧が上下します。
このことからもわかるように飲酒後の入浴は普通に入浴する時に比べてリスクが高く、大変危険です。
どうしてもお酒が飲みたいのであれば絶対に入浴後に飲むようにしてください。
参考 「命の危機」を感じた冬の飲酒後の入浴 恐ろしいヒートショック! 避けるには「ぬるめのシャワー」を 日経Gooday
お風呂に入ることを伝えていない
お風呂に入ることを誰かに伝えていないこともヒートショックの原因の1つです。
これは高齢者の方に多いのですが、お風呂場でヒートショックを発症してしまいそのまま亡くなってしまうことがあります。
お風呂からなかなか出てこなかったらおかしいと思って確認しにいきますよね。
仮にそこで倒れていたとしても手遅れにならずに済むかもしれません。
なのでもしもの時のためにお風呂に入る時は家族や友人の方に伝えておくことをおすすめします。
上着を着ていない
上着を着ていない時にヒートショックが発生してしまうこともあります。
例えば寝ている時にトイレに行きたくなったりお風呂に入りたくなったりした場合、体が布団で暖まっているので寒暖差が生まれやすく大変危険です。
なので冬場のトイレや脱衣所に行く時は上着を着ていくことをお勧めします。
また、この時に限らず冬場のトイレや脱衣所に行く時には上着を着る癖を付けておくと良いでしょう。
ヒートショックが原因で発症する病気とは?
ヒートショックを発症すると脳卒中を併発することがあります。
脳卒中には脳梗塞や脳出血、くも膜下出血の3種類が存在します。
それではそれぞれについて詳しく解説させていただきたいと思います。
参考 脳卒中 コトバンク
脳梗塞
脳梗塞とは血管に血栓が詰まって脳に十分な栄養を送ることができなくなることで発症する病気です。
脳梗塞は原因によって3種類に分類することができ、具体的には次のようになります。
・ラクナ梗塞・・・脳内の細い血管に血栓が詰まることによって発症する
・アテローム血栓性脳梗塞・・・脳に繋がっている太い動脈に血栓が詰まることによって発症する
・心原性脳塞栓症・・・心臓で発生した血栓が脳へ続く血管を通じて脳に到達してしまう事で発症する
参考 脳梗塞 コトバンク
脳出血
脳出血とは脳に通っている細い血管が突発的に破れることにより発症する病気です。
脳出血は出血する場所により症状が変わるので覚えておいた方が良いでしょう。
具体的には次のようになります。
・被殻出血・・・主な症状 出血した被殻と逆の半身の麻痺(被殻は右脳と左脳の両方に存在する)、言葉を正確に話せなくなる、意識が無くなるなど
・視床出血・・・主な症状 眼球が動かなくなる、感覚がおかしくなる、意識が無くなるなど
・皮質下出血・・・主な症状 嘔吐、頭痛、片側の目が見えなくなるなど
・小脳出血・・・主な症状 嘔吐、頭痛、めまいなど
・脳幹出血(別名 橋出血)・・・主な症状に嘔吐、頭痛、意識が無くなるなど
参考 脳出血 コトバンク
くも膜下出血
くも膜下出血とは脳の血管に発生したこぶが破裂することにより発症する病気です。
くも膜下出血が起こる原因は明らかになってはいませんが過度な飲酒や喫煙が原因ではないかと言われています。
参考 くも膜下出血 コトバンク
まとめ
ヒートショックについて解説させていただきました。
今回紹介させていただいた内容をまとめると次のようになります。
・ヒートショックは極端な寒暖差が生まれることにより発症する
ヒートショックの原因は以下の五つ
・サウナと水風呂の往復
・部屋と部屋の寒暖差が大きい
・入浴前の飲酒
・お風呂に入ることを伝えていない
・上着を着ていない
・脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などを併発することがある
ヒートショックが原因で毎年多くの方が亡くなっています。
皆さんも十分気を付けて下さいね。
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