サイといえば立派な角と大きな体が特徴的な動物ですよね。
動物園などではのんびりとしていますが実は時速50kmで走ることができるそうです。
さて、そんなサイですが実は絶滅の危機に陥っていることをご存知でしょうか?
温暖化や大気汚染などの環境要因ではなく人間による密猟が最も大きな原因です。
今回はサイはなぜ密猟されているのか、詳しく解説させていただきたいと思います。
早速見ていただきましょう。
目次
サイとは?
サイとは奇蹄目サイ科に分類される動物で、アジアや東南アジア、アフリカなどに生息しています。
食性は草食で草や果物、木の枝などを主食としています。
草食動物といえば穏やかなイメージがありますが怒ると非常に凶暴で、自然界では時速50kmでライオンに立ち向かったりすることもあるそうです。
また、サイは奇蹄目に分類される動物であるため実は馬の仲間であったりします。
現在地球上には以下5種類のサイが存在し、スマトラサイ以外はアフリカ大陸を中心に生息しています。
・クロサイ
・シロサイ
・スマトラサイ
・インドサイ
・ジャワサイ
サイはなぜ密猟されているのか?
密猟者の目的はサイの肉ではなく角です。
ではなぜサイの角が狙われているのか、詳しく解説させていただきたいと思います。
解熱効果があると言われていた
サイの角は粉末状にして服用すると解熱効果があると言い伝えられてきました。
このことから価格が高騰し、サイの角は高級品として扱われてきました。
サイは怒ると凶暴であるため角を持って帰るのは至難の業でしたが、金に目がくらんだ密猟者は危険を顧みず次々とサイの密猟を行いました。
しかし、その後の研究でサイの角には解熱効果など存在せずただのたんぱく質だったということが判明しました。
抗がん効果や滋養強壮効果があると言われていた
角に解熱効果がないことが分かると今度は角に抗がん効果や滋養強壮効果があるという噂がベトナムを中心に広まりました。
この噂は瞬く間にアジア各地に広まっていき、今度こそは本当だろうと誰もが確信していました。
このことから角の価値が再び上昇し、それに伴って一時期落ち着いていた密猟者の活動も更に過激さを増していきます。
しかしこの噂もデマだったことが分かり、先ほどと同様にただのたんぱく質でした。
アクセサリーや置物として加工された
抗がん効果や滋養滋養強壮効果があるという噂が広まったと同時に、角をアクセサリーや置物として加工する職人が現れました。
一部例外もありますが、加工された角は金などの宝石よりも高額になる場合もあります。
加工された角は高級であったため、主に富裕層によって買い取られていました。
そのためサイはまたもや密猟者の標的になってしまいます。
サイの密猟はなぜ止まらないのか?
サイの密猟について3つ紹介させていただきましたが、記事を執筆している現在も密猟は続いています。
密猟はなぜ減らないのでしょうか?
その理由はデマ(解熱効果や抗がん効果、滋養強壮効果)を未だに信じている方にサイの角を売りつける業者が存在するためです。
デマを信じ続けている方は何の効果もないすりつぶしたサイの角を服用し続けています。
サイが密猟されないようにする対策とは?
後を絶たない密猟に対して様々な対策が取られています。
例えば2013年にケニアの自然保護当局は密猟されるサイを減らすためにサイの角にマイクロチップを埋め込むことを決定しました。
こうすることでサイが密猟されかけている時にどこにいるかを確認することができるようになりました。
仮に救えなかったとしても密猟者がどこで取引を行っているかなどの重要な情報を手に入れることができます。
これが功を奏したのか、2018年に密猟されたサイの数が6年ぶりに1000頭を切って大きな話題になりました。
また、角に解熱効果や抗がん効果、滋養強壮効果などは含まれていないと国民一人一人に伝えている団体も存在します。
参考 南アフリカのサイの密猟が大きく減少し、1000頭を下回る WWFジャパン
参考 ゾウとサイの密猟と違法取引を止めるWWFの取り組み WWFジャパン
まとめ
サイはなぜ密猟されているのか、解説させていただきました。
今回紹介させていただいた内容をまとめると次のようになります。
・サイを密猟するのは角が目的
・高値で取引される
・解熱効果や抗がん効果、滋養強壮効果があるとされていたが全てデマだった
・アクセサリーや置物として加工されることも
・デマを未だに信じ続けている方も
・角にマイクロチップを埋め込んだりデマを正したりと様々な活動が行われている
お金に目がくらんだ密猟者の悪質な行為で何の罪もないサイが苦しんでいます。
中には角の損傷が激しく死んでしまったサイも存在します。
サイを守る取り組みが功を奏して密猟者が根絶されることを心から願っています。
コメント