皆さんはハシビロコウという生き物をご存知でしょうか?
ハシビロコウはアフリカ大陸に生息しているペリカンの仲間で、大きなくちばしが特徴的な動物です。
名前を英語で表記すると「Shoebill」となるのですが、これはくちばし(bill)が靴(shoe)のような形をしていることから付けられたそうですよ。
まだあまり有名ではないため知らなかった方もいらっしゃるかもしれません。
どのような動物なのか気になりませんか?
今回はハシビロコウの生態について詳しく解説させていただきたいと思います。
早速見ていただきましょう。
目次
ハシビロコウの生態とは?
先ず最初にハシビロコウの体長や体重、生息地などの基本情報について軽く紹介しておきます。
ハシビロコウの基本情報をまとめると次のようになります。
基本情報
名前 | ハシビロコウ |
英語表記 | Shoe bill |
学名 | Balaeniceps rex |
分類 | ペリカン目 ハシビロコウ科 ハシビロコウ属 |
体長 | 約110~150cm |
体重 | 約4~7kg |
くちばしの長さ | 約19~24cm |
生息地 | ウガンダ・エチオピア・カメルーン・ケニア・ザンビアなど |
主食 | 肺魚・カエル・ヘビ・ニジマス・鯉・鴨など |
学名の意味は「鯨のような頭をした王」となります。
長年の間ハシビロコウはコウノトリ目であると言われてきましたが、DNA(デオキシリボ核酸)を研究し続けた結果ペリカン目と分類する説が最も濃厚になりました。
体長は最大で150cmまで成長します。
これは中学生の平均身長と同じくらいの高さになります。でかい(;’∀’)
体長の割に体重は軽く、くちばしの長さは30cmものさしよりも少し小さい約19~24cmくらいになります。
ハシビロコウはアフリカ大陸に生息しており、肺魚や鯉などの魚を中心に食事を行っています。
まあ基本情報はこれくらいにしておいて、気になるハシビロコウの生態に迫っていきましょう。
くちばしが大きい
ハシビロコウは非常に大きなくちばしを持っています。
このくちばしはただ大きいだけではなく餌を食べる時にとても重宝します。
先ほどにも紹介した通りハシビロコウは肺魚や鯉などの魚を食べることが多く、川の近くでタイミングを見計らって捕食します{これについては次の「ハシビロコウの生態その2」で詳しく解説します}。
くちばしが大きなおかげで捕らえた魚などを取りこぼすことなく綺麗に食べることができます。
また、捕らえた魚を2、3匹一気に食べる姿も確認されています。
ほとんど動かない
ハシビロコウはほとんど動きません。
ハシビロコウを動物園で見たことがある方はよくわかるのではないでしょうか。
ほとんど動かずに同じ位置でじっとしていますよね。
ハシビロコウが動かない理由は自然界で獲物を捕らえる時の習性がまだ残っているからです(先ほど紹介した川の近くで待ち伏せしてるやつです)。
例えばハシビロコウの餌である肺魚は数時間単位で息継ぎをしないと死んでしまいます。
ハシビロコウはこの一瞬のすきをついて肺魚を仕留めるのですが、いつ出てくるかは分かりません。
つまり、毎回膨大な時間を費やして待ち伏せをしているということになります。(;’∀’)
自然界から動物園に移ってもその習性が抜けていないのですね。
ほとんど飛ばない
ハシビロコウはほとんど飛びません。
動いている姿は度々目撃されていますが、飛んでいる姿はほとんど目撃されていません。
ハシビロコウが飛ばないのは生息地をほとんど移動しない習性が大きく関わっています。
ハシビロコウは生息地の減少や環境の変化などがない限りずっと同じ場所に生息し続けています。
もしそうなった場合やむを得ず移動するという形になります。
ほとんど鳴かない
ハシビロコウは発声器官が発達していないため鳴くことはほとんどありません。
代わりに「クラッタリング」と呼ばれる行動を取ります。
クラッタリングとはくちばしを上下に動かして音を鳴らす行為を指し、挨拶や求愛、コミュニケーションなどを取る時に使われます。
ハシビロコウの他にコウノトリも発声器官が発達していないためクラッタリングをよく行っています。
コウノトリの仲間と間違われたのも納得できますね。
気になるクラッタリングの音ですがカスタネットを鳴らした時の音によく似ています。
運が良ければ動物園などで見ることができるかもしれませんね。
礼儀正しい
ハシビロコウは非常に礼儀正しい動物です。
動物園で人がハシビロコウにお辞儀をしたところハシビロコウもぺこりとお辞儀をし返した姿が確認されています。
これは1つ前に紹介したクラッタリングと同じような意味合いがあり、人間へ対して敬意を表しているということが言えます。
普段はおとなしいのに挨拶にはちゃんと応じる・・・ニクい奴ですね。(笑)
単独行動を好む
ハシビロコウは単独行動を好む動物です。そのため狩りも単独で行います。
ハシビロコウが他の仲間と過ごすのは雌が子供を産んでからしばらくの間だけでその期間が終わるとどこかへ行ってしまいます(そもそも子供を産むのもかなりまれです)。
まあ自立して自分1人で生きていけるくらいになるまでは育てて行くとは思いますが・・・ちょっとかわいそうですよね。
また、単独行動を好む習性から繁殖が難しいため絶滅の危機に瀕している絶滅危惧種でもあります。
生息地の減少や環境の変化など原因は様々ですがこの習性が子孫繁栄に歯止めをかけているのは間違いないでしょう。
時々目が白くなる
ハシビロコウは時々目が白くなることがあります。
白目をむいているように見えますがこれは瞬膜と呼ばれるもので目に入ろうとしているゴミなどをはじく役割があります。
瞬膜は眼球に覆いかぶさるようにできており、中から眼球、瞬膜、瞼という順番になります。
寝ぐせのような毛が生えている
ハシビロコウの後頭部には寝癖のような毛が生えています。
これは冠羽と呼ばれるもので、挨拶や求愛をする時にピンと立ち上がります。
また、クラッタリングや挨拶をする時にも立っているそうです。
まとめ
ハシビロコウの生態について解説させていただきました。
今回紹介させていただいた生態をまとめると次のようになります。
・くちばしが大きい
・ほとんど動かない、飛ばない、鳴かない
・礼儀正しい
・単独行動を好む
・時々瞬膜で目を守る
・冠羽と呼ばれる羽が生えている
ハシビロコウは間近で見ることができる所も多いため是非1度会いに行ってみてください。
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