皆さんはタスマニアデビルという生き物をご存知でしょうか?
タスマニアデビルとは全身が黒色または黒褐色に体が覆われ、胸と尻尾の付け根辺りに白いラインが入っている非常に可愛らしい動物です。
さて、皆さんはタスマニアデビルの生活習慣や特徴が気になりませんか?
今回はタスマニアデビルの生態について詳しく解説させていただきたいと思います。
早速見ていただきましょう。
目次
タスマニアデビルとは?
名前 | タスマニアデビル |
英語 | Tasmanian devil |
学名 | Sarcophilus ursinus |
分類 | フクロネコ目 フクロネコ科 タスマニアデビル属 |
体長 | 約50~80cm |
体重 | 約5~15kg |
生息地 | オーストラリア(タスマニア州) |
餌 | 昆虫,魚類,鳥類,爬虫類,哺乳類など |
尻尾の長さ | 約20~30cm |
タスマニアデビルとはフクロネコ目フクロネコ科タスマニアデビル属に分類される哺乳類で、現在はオーストラリアのタスマニア州にのみ生息しています。
体に袋を持っているのでウォンバットやカンガルー、フクロモモンガなどと同じ有袋類に分類されます。
食性は肉食で死肉を中心にほぼ何でも食べることができますが、自身より大きな動物だけは手を出すことができません。
また、1990年代に突如発生したデビル顔面腫瘍性疾患(DFTD)という感染症によって生息数が激減したことを受けて絶滅危惧種に指定されました。
そのためタスマニア州にあるタスマニア自然保護区で保護されたりオーストラリア以外の国での保護活動(SAVE THE TASMANIAN DEVIL PROGRAM)が行われたりと絶滅へ対する様々な対策が取られています。
デビル(悪魔)というあまり縁起が良くない名前を付けられた理由には諸説ありますが、見た目(耳)や食性、鳴き声など様々な要因が関与しています。
ちなみに「フクロアナグマ」や「フクログマ」、「フクロクズリ」という別名も存在します。
タスマニアデビルの生態とは?
タスマニアデビルの生活習慣や特徴はどのようなものなのでしょうか?
この項目では本題のタスマニアデビルの生態について詳しく解説させていただきたいと思います。
食欲旺盛である
タスマニアデビルは食欲が非常に旺盛な動物です。
一日に自分の体重の約15~40%ほどの量の餌を平らげます。
仮に自分の体重が10kgであれば約4kgもの餌を平らげるということになりますので驚きですね。(笑)
また、そこそこ長い尻尾に脂肪を溜めておくことが可能で、大量に摂取した食事の脂肪の一部がここに溜められています。
ちなみに脂肪がよく溜まっている尻尾は太く脂肪が不足している尻尾は細いので、自然保護区では健康状態を確認する指標となっています。
噛む力が強い
タスマニアデビルは咬合力(噛む力)が非常に強い動物です。
タスマニアデビルがよく食べている動物の肉には骨が付いたままになっていることが少なくありません。
私たちがスペアリブや羊肉などの骨付き肉を食べる際には必ず骨を残しますよね。
しかし、タスマニアデビルは咬合力が強いため骨ごとばりばりと噛み砕くことができます。
また、骨の他にも硬い皮や硬い毛、硬い羽まで噛み砕くこともあるそうです。
ちなみにタスマニアデビルの咬合力は狼の咬合力とほぼ同じであることが確認されているそうです。
見た目の割にかなりパワフルですね。(笑)
歯と爪が鋭い
タスマニアデビルの歯と爪は非常に鋭くなっています。
タスマニアデビルは哺乳類であるため人間と同じく4本の犬歯が生えており、これは一生伸び続けると言われています。
一生伸び続けるとなると食事をする際に邪魔になりそうですが、骨などを噛み砕く際に削れているのではないでしょうか(予想です笑)。
また、タスマニアデビルには5本の前足と前足よりもやや短い4本の後ろ足が生えており、それぞれの指に鋭い爪が生えています。
この爪は獲物を仕留めるためのものではなく、休息や繁殖活動を行える住みか作りによく使われています。
ちなみにこの爪は猫と同じように自由に出し入れを行うことが可能です。
夜行性である
タスマニアデビルは夜行性の動物です。
そのため昼間に活動することはあまりなく、その間は自分の住みかで静かにしていることが多いです。
夜になると獲物の物色が始まり、獲物を求めて約10~20kmほど移動することもあります。
また、タスマニアデビルは嗅覚と聴覚が優れている代わりに視力は非常に低い動物です。
夜行性になったのは低い視力を嗅覚と聴力で補うためなのかもしれませんね。
ちなみに同種同士の仲が最悪であるため獲物の物色はほとんど一匹で行います。
春に繁殖期を迎える
タスマニアデビルは春(現地時間)に繁殖期を迎えます。
繁殖期になるとメスをめぐったオス同士の争いが頻繁に起こるようになり、パートナーを見つけたオスはメスを自分の巣の中に閉じ込めます。
これはメスに逃げられないようにするための行動で、交尾が終わると逆にメスがオスを追い出してしまうこともあります。
交尾は基本的に約3~5日ほど続き、3週間ほどの妊娠期間を経て約20~40匹ほどの赤ちゃんを産みます。
ですが育児嚢{読み いくじのう(意味 子どもを育てる袋)}の中には乳首が4本しかないため5匹目以降の赤ちゃんは残念ながら死んでしまうそうです。
生き残った赤ちゃんは育児嚢の中で約4~5か月ほど生活した後に出ていき、その後約3か月ほどは巣の中で生活をします。
袋が下向きに付いている
タスマニアデビルの育児嚢は下向きに付いています。
同じ有袋類のカンガルーの育児嚢は上向きなのに対してなぜタスマニアデビルの育児嚢は下向きなのでしょうか?
その理由は先ほど紹介したタスマニアデビルの住みか作りにありました。
住みかを作る際に地面を掘ると土が飛び散りますよね。
この時育児嚢が上向きだと中にいる赤ちゃんに土がかかってしまいます。
つまり育児嚢が下向きに付いているのは中にいる赤ちゃんに土がかからないためであることが分かります。
寿命が短い
タスマニアデビルは寿命が非常に短い動物です。
生息環境によって微妙に異なりますが、自然界では約5~6年、飼育下においては約6~7年と言われています。
また、記事の最初でも紹介しましたがタスマニアデビルはデビル顔面腫瘍性疾患(DFTD)という感染症にかかることが多い動物です。
ただでさえ短い寿命と感染症のせいで生息数の減少に拍車をかけてしまっているというのが現状です。
飼育下においての寿命が長いのは感染症への対策(喧嘩をさせない,同種同士を遠ざけるなど)を意図的に行えることが関係しているのかもしれません。
まとめ
タスマニアデビルの生態について解説させていただきました。
今回紹介した生態をまとめると次のようになります。
・食欲旺盛である
・噛む力が強い
・歯と爪が鋭い
・夜行性である
・春に繁殖期を迎える
・袋が下向きに付いている
・寿命が短い
タスマニアエビルは多摩動物公園(東京)で飼育されています。
是非一度会いに行ってみてください。
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