皆さんは急激な気温の上昇に直面したことはありますか?
極端に寒い地域にお住まいの方はあまりないかもしれませんが、おそらくほとんどの方が体験したことがあるのではないでしょうか。
ただ暑いだけではなく、これから紹介する現象が起こっているからかもしれません。
今回はフェーン現象について詳しく解説させていただきたいと思います。
早速見ていただきましょう。
目次
フェーン現象とは?
フェーン現象とは山の手前側から反対側へ向かって流れている気流の温度が、山を越える前の温度よりも高くなっていることを指します。
フェーン現象は季節を問わず世界中で発生しており、日本では太平洋側よりも日本海側で発生を実感することが多いです(太平洋側は元々の気温が高く、発生しても実感がないことが多いため)。
フェーン現象の「フェーン」という言葉はアルプス山脈へ向かって吹いていた北寄りの気流の名前から取ったもので、この気流は国によって様々な呼び方が存在します。
ですが最近ではほとんどの国でフェーンと呼ばれており、呼び方が徐々に統一されつつある状況です。
ちなみに日本では風炎(ふうえん)という当て字が使われることもしばしばあります。
フェーン現象が与える影響とは?
フェーン現象が起こるとどのようなことが起こるのでしょうか?
この項目ではフェーン現象が与える影響について詳しく解説させていただきたいと思います。
気温が高くなる
先ほども紹介しましたが、フェーン現象が起こると気温が高くなります。
そのためフェーン現象が起こった地域では猛暑日(35℃以上の日)になることも少なくありません。
また、フェーン現象は季節を問わずいつでも発生し、例えば冬に発生すると暖冬になることがあります。
すると春物野菜の出荷が早まったり冬服の売れ行きが悪くなったりと、気候だけでなく経済へも様々な影響を与えます。
空気が乾燥する
フェーン現象が起こると空気が乾燥します。
そのためフェーン現象が起こると火事が起こりやすくなってしまいます。
フェーン現象が起こりうる場所にお住まいの方は火の元やニュースをこまめに確認しておくことをおすすめします。
風が強くなる
フェーン現象が起こると温度が上がるだけではなく風も非常に強くなります。
これによって建物や農作物へ被害が及ぶことがあります。
また、空気の乾燥によって火事が発生した際に、強風によって規模が大きくなってしまうこともあります。
フェーン現象が発生する仕組みとは?
山へ向かって吹いている気流には海から発生する水蒸気がたくさん含まれています。
この気流は山に沿って上昇していくうちに温度がどんどん下がっていき、温度が露点に達すると気流に含まれている水蒸気が水となりやがて雲が発生します。
具体的な数字で表すと雲が発生するまでは100mにつき1℃、雲が発生してからは100mにつき0.5℃低くなります。
ではなぜ雲が発生すると温度が下がりにくくなるのか、その理由は凝縮熱にありました。
凝縮熱とは水蒸気が水になる際に発生する熱のことで、これが理由で温度が下がりにくくなっています。
雲は山の斜面に雨や雪を降らせるため頂上付近でほぼ消滅し、乾燥した気流へと変化した後に反対側へ流れていきます。
この時気流の上昇によって下がっていた温度は下降に伴ってどんどん上がっていき、通常通り100mにつき1℃温度が上昇していきます。
上の引用画像の1000m~2000m地点を例に考えてみましょう。
山の手前側は水蒸気の凝縮熱の作用で温度が5℃しか下がっていませんが、反対側は通常通り10℃上がっていますよね。
ここで温度差が生まれることによって山の手前側と反対側にも温度差が生じます。
以上がフェーン現象が起こる仕組みです。
まとめ
フェーン現象について解説させていただきました。
今回紹介させていただいた内容をまとめると次のようになります。
・フェーン現象とは山の手前側から反対側へ向かって流れている気流の温度が、山を越える前の温度よりも高くなっていること
・国や季節を問わずにいつでも発生
・フェーンの言葉の意味はアルプス山脈に吹いていた気流の名前
・フェーン現象が起こると乾燥や強風、気温の上昇など様々な影響を及ぼす
日本でもフェーン現象は度々発生しています。
山の麓(ふもと)にお住まいの方は特に注意してくださいね。
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